NECは2022年7月6日、人工衛星の合成開口レーダー(SARデータ)とAI技術を組み合わせることで、従来発見が困難であった橋の「異常なたわみ」をミリ単位の精度で検知し、橋の重大損傷を発見する技術を開発したと発表しました。
合成開口レーダ(SAR:Synthetic Aperture Radar)とは地球を周回移動する衛星の動きを用いることで、仮想的に大きな開口面(レーダーの直径)として働くレーダーのことです。軌道を移動ながらレーダーの送受信を繰り返し、受信した電波をドップラー効果を考慮に入れて合成することで、高解像度なレーダ画像を得ることができます。
今回発表された技術は、リモートセンシングで得られる変位データをAIが解析し、橋の変位予測モデルを作成することで、予測から大きく外れる変位があると異常なたわみがあると見なします。このように、リモートセンシングとAIを組み合わせることで、目視では気付きにくい程度の異常なたわみを複数の橋に対してまとめて検知することが可能になり、橋の点検業務の効率化に繋がるとのこと。
今回発表された技術は2025年を目標に橋の管理者向けの製品化を目指しています。先日お伝えした漏水を検知するシステムもですが、リモートセンシングで得られるデータとAI技術の組み合わせで社会の課題を解決する技術の発表が続きますね。これからも今まで想像もしていなかった技術が続々発表されそうな気がします。
https://jpn.nec.com/press/202207/20220706_01.html
Wrote: わたなべ