JAXA 観測ロケットS-520-32号機 打上げ成功

  2022年8月11日、JAXAは観測ロケットS-520-32号機を内之浦宇宙空間観測所から打ち上げ、GNSSをはじめとする搭載観測機器は予定通りに動作し、データを取得したと発表しました。当初7月10日に打ち上げが予定されていましたが、搭載機機に技術的問題が見つかり、その後8月8日に設定された打ち上げも打ち上げ条件が揃っていないとして、打ち上げが延期されていました。

 観測ロケットS−520は、全長8m・直径0.52m・総重量2.1tの単段式の固体燃料ロケットです。

 今回の打ち上げの目的は「電離圏擾乱発生時の電子密度鉛直・水平構造観測」とあり、飛行中に上空80kmから300kmにある「電離圏」と呼ばれる領域の大気中の電子密度を観測しました。「電離圏」の電子密度の乱れが、GPS衛星から電波が届く速さに差を生み、スマートフォンなどの位置情報の誤差の原因であることが知られています。今回の打ち上げで得られた観測データがその原因解明に役立てられるとのことです。

  2013年7月にも同目的のために観測ロケットS−520が打ち上げられています。

参考

https://www.jaxa.jp/press/2022/08/20220812-1_j.html



https://www3.nhk.or.jp/lnews/kagoshima/20220811/5050019912.html



https://www.isas.jaxa.jp/missions/sounding_rockets/s-520.html


Wrote: わたなべ