宇宙を形成する不可視の暗黒物質ダークマター。今年の2月末には国立天文台と東京大学などが共同ですばる望遠鏡に取り付けたカメラデータから分布図を作成するなどの成果発表があったものの、直接観測できない物質ということで謎に包まれていました。
今回、マイケル・ハドソン教授を中心とするカナダのウォータールー大学の研究者たちが「弱い重力レンズ」の影響を解析することで「冷たい暗黒物質」の可視化に成功しました。
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重力レンズ : 星や銀河などの光源と地球の観測者までの間に巨大な重力源があると、周辺の時空が曲げられて、対象となる星や銀河が歪んだ像となって見える現象のこと。
弱い重力レンズ : 重力レンズの中でもレンズ源の影響が比較的弱く、多くの天体画像を集計することで、統計的に僅かな歪みがあると判断することができる技術のこと。
冷たい暗黒物質(コールドダークマター) : 宇宙の大規模な構造に大きく関与しているとみられる、熱運動の速度が非常に小さく、ほかの物質とは重力だけしか相互作用しない物質のこと
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今回撮れた画像はダークマターのフィラメントが銀河間を橋渡ししている様子ということですが、何かの単細胞生物のような、細胞のような、なんとも不思議な様子ですね。
さらなる研究によって、ダークマターの正体が突き止められる日がすぐそこに迫っていると考えると、ワクワクしますね〜!!
Wrote: Sunny+
IMAGE BY S.EPPS&M.HUDSON / UNIVERSITY OF WATERLOO