NASA オーストラリアから3機の観測ロケットを打ち上げ!

  NASAはエクアトリアル・ローンチ・オーストラリアが保有・運営するオーストラリアの商業宇宙施設「アーネム宇宙センター」から2022年6月26日、7月6日、7月11日の3回、観測ロケット「ブラックブラントIX」を打ち上げました。

 ブラックブラント(英語: Black Brant)はカナダで設計、生産されている観測ロケットです。1961年以来800機を越えるブラック・ブラントとその改良型が打ち上げられてます。

  3回の打ち上げのペイロードはそれぞれ以下の通りです。
・6月26日 XQC(X-ray Quantum Calorimeter Experiment)
ウィスコンシン大学のX線観測装置。今回が7回目の打ち上げで、エネルギー分解能は過去と比べて50倍に向上しています。北半球では部分的にしか見えない領域からのX線放射を観測するために打ち上げられました。
・7月6日 SISTINE(Suborbital Imaging Spectrograph for Transition region Irradiance from Nearby Exoplanet host stars)
地球から4.37光年先にある恒星「アルファ・ケンタウリA」「同B」を、上空から5分間だけ遠紫外線の波長で観測を行う装置です。生命の存在を左右し得る恒星の光が惑星の大気にどのような影響を及ぼすのかを理解し、生命居住可能な太陽系外惑星の候補を絞り込む上で役立つとのこと。
・7月11日 DEUCE(デュース:Dual-channel Extreme Ultraviolet Continuum Experiment )
地球から4.37光年先にある恒星「アルファ・ケンタウリA」「同B」をターゲットに、上空から紫外線観測を行う装置です。SISTINEは観測に遠紫外線の波長を利用するのに対し、DEUCEは波長がより短い極端紫外線を利用します。SISTINEとDEUCEの観測データは1つにまとめられ、生命居住可能な太陽系外惑星の候補を絞り込む上で活用されるとのことです。

  NASAが今回打ち上げた3機のペイロードによる観測は南半球でした行えないものとのことです。紫外線は宇宙のガスがチリに吸収されやすいことから、SISTINEとDEUCEによる紫外線の測定は太陽から最も近い恒星系である「アルファ・ケンタウリA」「同B」が選ばれたとのことです。今回の観測からどのようなことが判明するのか観測結果を知りたいですね。

参考

NASA、オーストラリアの商業宇宙施設から観測ロケットを打ち上げ



NASA、最寄りの恒星「アルファ・ケンタウリ」を5分だけ観測する装置を打ち上げ



NASA、最寄りの恒星がターゲットの観測ロケット2機目をオーストラリアで打ち上げ



https://www.nasa.gov/feature/goddard/2022/nasa-rockets-launch-from-australia-to-seek-habitable-star-conditions/


Wrote: わたなべ