ロケットラボ NASAの超小型衛星打ち上げ成功!

  2022年6月28日、アメリカとニュージーランドのロケット開発会社ロケットラボは「エレクトロン」ロケットの打ち上げを実施し、搭載されていたNASAの超小型人工衛星「Cislunar Autonomous Positioning System Technology Operations and Navigation Experiment (CAPSTONE)」を予定通りの軌道への投入に成功したと発表しました。

 ロケットラボ社のロケット「エレクトロン」は小型の液体燃料ロケットで、軽量化のために本体には炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が使われています。エンジンは独自開発ラザフォードエンジンが使われており、これは3Dプリンタで作成されています。

  CAPSTONEは、9日間地球を周回後、ロケットラボの小型衛星プラットフォーム「Photon(フォトン)」によって月を目指し、月長楕円極軌道に入る予定となっています。月長楕円極軌道はNASAが主導する月周回有人拠点「ゲートウェイ」の建設が予定されている軌道です。CAPSTONEには月を周回しているNASAのルナーリコネサンスオービターと通信し、お互いの距離がどれくらいか、どれくらいの速度で距離が変化しているのかを判定するシステムが搭載されており、月長楕円形極軌道に入った後このシステムの運用テストが行われます。今回の運用テストの成果が、将来のゲートウェイでの、地球との通信を行わない自律測位システム技術へ活かされる計画です。

 ロケットラボのエレクトロンロケットは今回の打ち上げで、27回目の打ち上げとなります。今年の5月には1段目のロケットをヘリコプターで回収するミッションに初めて成功しました。ただ、この時は異常な負荷を検知したとのことで、機体を切り離して着水させています。当ブログでは、今後もこのロケットラボ社のミッションには注目して行きます。

参考

ロケットラボ、NASA超小型衛星の打ち上げに成功。ゲートウェイ建設予定の軌道で運用テスト実施へ



https://www.rocketlabusa.com/missions/lunar/


Wrote: わたなべ