2022年6月23日、理化学研究所は、陽子を持たない4個の中性子だけでできた「原子番号ゼロ」とも言える原子核「テトラ中性子核」の観測に成功したとの論文がNature オンライン版に掲載されたことを発表しました。
中性子とは原子核を構成する粒子のひとつで、電荷を持たない粒子です。通常の原子核は陽子の数と中性子の数がほぼ同じであることが知られています。また、中性子は単独の状態では15分ほどで崩壊してしまう不安定な粒子です。
宇宙には中性子を主成分とする非常に密度の高い「中性子星」が存在します。中性子星の構造を理解するには、複数の中性子間の「力(相互作用)」を知ることが鍵だと考えられてきておりました。今回の成果は3つ以上の粒子間に相互作用する力は2つの粒子間に作用する相互作用の組み合わせだけでは説明ができない現象に対する理解に繋がることが期待されています。
この宇宙には中性子星が存在することは知られていましたが、その内部構造については理解が進んでいませんでした。今回の成果が宇宙の謎のひとつの解明に繋がることを期待しています。
https://www.riken.jp/press/2022/20220623_1/
https://www.nature.com/articles/s41586-022-04827-6
Wrote: わたなべ