昨年12月25日に打ち上げられたジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)はラグランジュ点L2に向けて順調に飛行しています。
今回JWSTについて打ち上げ後の情報を報告します。
JWSTは、搭載されている推進剤の総量から運用期間が5年から10年と予定されていたのですが、打ち上げが予定の軌道に見事に乗せることができたおかげで軌道修正で使用する推進剤の使用量が少なかったそうです。そのおかげで運用期間が条件次第で10年以上になるかもしれないと発表されました。
JWSTには推進剤として159リットルのヒドラジン(燃料)と79.5リットルの四酸化二窒素(酸化剤)が搭載されています。これは距離にして150万km先のL2へ向かう際の中間軌道修正やL2周辺で留まるための姿勢制御などに使われます。
また、機体の電力を賄うソーラー電池アレイの展開もアリアン5から切り離されて約1分後には展開することができこれも打ち上げが正確だったことに起因します。
JWSTは現在機体を極低温に保つためのサンシールドの展開を行っています。テニスコート程にもなるサンシールドは、表面にアルミニウムを蒸着させたカプトンの極薄フィルム5枚が層になっていて最初に3枚伸長され、残りの2枚も伸長されました。
JWSTは運用開始が半年後とまだ先なのですが今後も情報があれば随時お届けしようと思います。
Wrote: 寺地