天の川銀河の中心から届く謎の電波

 シドニー大学の物理学博士課程の学生であるZlteng Wang氏ら研究チームはASKAP電波望遠鏡の観測データで天の川銀河の中心部から届く奇妙な点滅や増減を繰り返す電波を見つけたそうです。今のところ発信源となる天体については正体不明だそうです。また、捉えられる電波の特徴は既に分かっている電波源とは一致しないそうです。

 研究チームはこの電波について奇妙な特徴があると報告しています。まず、電波は不規則に点滅し、電波の強さも強くなったり弱くなったり不規則に変化しているそうです。変動の幅も大きく100倍もの違いがあるそうです。

 研究チームはASKAP電波望遠鏡で2020年に6回の観測に成功したのですが他の電波望遠鏡での追加観測を行おうとしたのですが何故かうまくいかなかったそうです。

 研究チームは追加観測をするため、より感度の良いMeerKAT電波望遠鏡を使い観測を行なったところ目標の電波を捉えることに成功しました。しかし捉えた電波は前回の観測とは異なる振る舞いをしていたそうです。そして、その電波は観測一日で消えてしまったと言うのです。

 この様な電波を発する電波源としてはパルサーや超新星爆発、太陽フレア、高速電波バーストなど考えられますが、これらの電波の特徴とは一致しないと言います。一体天の川銀河の中心で何が起きているのか興味が湧きますね。

 研究チームは、次世代電波望遠鏡スクエア・キロメートル・アレイ電波望遠鏡が稼働すればこの電波源を調べるのに大きな助けになると言います。新たな電波望遠鏡による観測によって謎が解明されるのか楽しみです。

参考URL

天の川銀河中心部からの謎の電波を検知 奇妙な点滅・増減を繰り返している


Wrote: 寺地