2021年8月6日に行ったパーサヴェアランスの1回目のサンプル採取は失敗しましたが、その失敗を踏まえて9月1日に行った2回目のサンプル採取は見事に成功しました。
パーサヴェアランスによるサンプル採取の流れは次の通りです。まず、パーサヴェアランスの車体に組み込まれているAdaptive Caching Assembly(ACA)で加熱処理された空のチューブが、ロボットアーム先端に取り付けられている円筒形のコアリングビット内部にセットされます。セットされた状態のコアリングビットが回転して岩石を掘削することで、チューブの内部に棒状のコアサンプルが残ります。その後、サンプルが入ったチューブはコアリングビットからACAに戻されて、体積の測定と写真撮影が行われた後に密閉・保管されます。地球・火星間の通信には数分以上のタイムラグが生じるため、これらの動作はすべてパーサヴェアランスが自律的に行います。
2回目のサンプル採取後カメラで撮影されサンプルが入っていることを確認しましたが保管容器の開口部の縁から残留物を振るい落とした後もう一度撮影するとサンプルが見えなくなったそうです。そのためサンプルが保管容器に入っているか再度確認がされようやくアメリカ東部時間9月6日12時34分に保管容器が密閉されパーサヴェアランス内部に保管されました。パーサヴェアランスの火星で初のサンプル採取に成功です。
今後パーサヴェアランスは移動しながら次々サンプル採取を行い数年後それを回収するミッションが行われます。回収機とそれを火星から打ち上げる小型ロケットを使い地球へサンプルリターンをします。地球に火星のサンプルが届くのはまだ10年ほど先ですが楽しみです。
Wrote: 寺地