ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の地上での試験終了

 当サイトでも何度か動向をお伝えしていたハッブル宇宙望遠鏡の後継機「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」の打ち上げが近づいています。ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、NASAを中心に欧州宇宙機関、カナダ宇宙庁によって開発運用される望遠鏡です。

 望遠鏡の名前はNASAの2代目長官ジェイムズ・エドウィン・ウェッブ氏にちなんで命名されています。ウェッブ長官はアポロ計画が始まった1961年から1968年にかけてNASAの長官に就いていました。

 ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、先日地上での最後の試験が行われ無事終了し、打ち上げが行われる南米フランス領のギアナの発射場へ移送されます。打ち上げには欧州宇宙機関の「アリアン5」ロケットが使われ、11月から12月の間に打ち上げられる予定です。

 ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、質量がハッブル宇宙望遠鏡と比べて半分ほどの6.2tと軽く、主鏡の口径がハッブルの2.5倍の約6.5mと大きい望遠鏡です。赤外線を利用し非常に高い観測能力が期待されています。また、望遠鏡に当る太陽光により機体の温度が上昇するのを防ぐため、サンシールドを展開し観測に影響が出ない工夫がされています。望遠鏡の主鏡は一枚鏡ではなく18分割された6角形の鏡がマイクロモーターと波面センサーによって正確な位置に展開されると言う方式となっています。

 打ち上げられた望遠鏡は地球から約150万km離れたラグランジュ点「L2」ポイントに1ヶ月ほどかけて移動し観測の準備に入ります。観測開始は打ち上げから6ヶ月後と言われています。

 最新の望遠鏡による観測でどんな新たな発見が見られるか楽しみですね。また、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の観測で期待されている138億光年先にあるファーストスターの観測や宇宙の起源に迫れるのかも期待したいです。

参考URL

宇宙望遠鏡「ジェイムズ・ウェッブ」地上での試験が完了! 打ち上げに向け輸送準備始まる


Wrote: 寺地