中性子星の山の高さを最新研究で推定

 太陽質量の8倍以上の質量のある恒星は内部の核融合反応が終わると終焉を迎え、やがて超新星爆発へと至ります。爆発した後はブラックホールになる場合と中性子を主成分とする中性子星が残される場合があります。

 中性子星は直径が20km程しかない星ですが密度が太陽の10の14乗倍以上と超高密度な星です。自転速度も超高速で30秒から1/100秒と言われます。

 そんな中性子星はほぼ完全な球体です。しかし地表面に全く凹凸がないと言うわけではないようです。これまでの研究では中性子星の山の高さは数cmほどになりうるのではと考えられてきました。

 しかし、サウサンプトン大学の博士課程の学生であるファビアン・ギティンスさん率いる研究チームが、現実の中性子星に近い新しいコンピューターモデルを用いて中性子星の山の高さ(凹凸)を推定すると、高さはせいぜい数分の1ミリメートルほどにしかなり得ないとの研究結果を発表しました。

 自転の高速回転が起きている中性子星に山のようなものがあるとすれば、重力波が発生しているはずです。この重力波を観測することができれば中性子星について様々な情報を得ることが出来るわけですが、今のところ中性子星から重力波を観測することはできていません。

 中性子星の重力波を捉えるのがさらに難しくなった事で中性子星の詳しい観測を行うには観測技術のさらなる革新が必要なのかもしれません。

参考URL

中性子星の「山」の高さはどれくらい? 最新の研究により推定


Wrote: 寺地