人類が作った人工物で最も遠いところを今も飛んでいるボイジャー1号2号、太陽系を脱し星間空間を進んでいます。ボイジャーはあと数年で観測装置が寿命を迎えると言われていてそこでミッションは終了となります。
そして、今回太陽系の外へ向かう新たなプロジェクトが進められていると言う情報が伝わってきました。「ブレイクスルー・スターショット(Breakthrough Starshot)」と呼ばれるプロジェクトでロシア生まれの資産家ユーリ・ミルナー氏の出資によって進められているそうです。この計画は、超小型宇宙船を太陽系から近い距離にある「ケンタウルス座アルファ星」へ飛ばすと言うものです。
ケンタウルス座アルファ星へ向かう超小型宇宙船は、宇宙船本体の大きさが切手サイズだそうでかなりの小ささです。そしてその宇宙船を推進させる推進装置が1メートル四方のごく薄い帆です。その帆に向けて地球からレーザー光を照射し進みます。超小型宇宙船の速度はレーザーの照射を受けたわずか数分で光の速度の20%まで加速できると言います。この速度で進むと約4.3光年先にある目的地のケンタウルス座アルファ星へは約20年で到達できるとされています。
このプロジェクトの鍵は宇宙船の開発よりも推進のために送るレーザー発振器にあります。加速に必要となるレーザー光の総出力は100ギガワットと見積もられていて、それを実現するには1億台のレーザー発振器を設置する必要があるそうです。そして、それらを遠くにいる宇宙船へ向け正確に照射しなければなりません。レーザーを正確に宇宙船へ向けるため地球周回軌道に専用のガイド衛星を用意し、宇宙船へ正確にレーザー光の照射を行う計画だそうです。
宇宙船の大きさがとても小さいので観測装置などは最小限のものしか無くどのような観測結果が得られるかわかりませんが人類が太陽系の外の恒星にいよいよ向かうのは楽しみです。果たしてプロジェクトは計画通りに進むのか注目したいですね。
Wrote: 寺地