NASAが新たな金星探査計画を発表

 2021年6月3日、NASAは低コストで効率よく太陽系内を探査することを目的としたディスカバリー計画の一環で2件の金星探査計画が採用されたと発表がありました

金星は地球より太陽に近い軌道を公転している地球型惑星で大きさや平均密度が地球によく似ています。しかし、地表の温度は摂氏約460度、気圧約90気圧、金星の公転周期は224日、自転周期は約243日で自転方向が地球とは逆に回転しています。なので金星の太陽は西から昇り東に沈みます。大気は二酸化炭素が主成分でわずかに窒素が含まれます。地表の温度が高いのは二酸化炭素による温室効果によるものだそうです。このように金星は地球の環境とはあまりに違います。しかし太古の地球は今の金星とよく似ていたのではないかと考えられているようです。

 さて、今回発表された金星探査計画の一つは、「DAVINCI+」(ダヴィンチプラス)です。DAVINCI+の探査機は2029年に打ち上げられます。打ち上げから2年後の2031年に観測装置やカメラなどを搭載したプローブを大気に降下させ、上層大気、下層大気そして地表に至るまでの大気組成の分析や気圧、気温、風のデータなど過去の探査機で取られたデータより精細に観測することができるといいます。またプローブを運んできた探査機にもカメラなど観測装置を使って金星上空からも観測を行うそうです。

 金星は大気からホスフィン(リン化水素)が検出されたとする発表があり、地球での自然界におけるホスフィンは嫌気性の微生物によって生成される生命活動に由来する物質なのでもしかすると何らかの生命の存在を示している可能性があるのではと注目がありDAVINCI+による金星の探査で新たな発見があると期待したいです。

参考URL

金星の大気分析や地表の撮影を予定! NASAの新たな金星探査ミッション「DAVINCI+」


Wrote: 寺地