木星探査機ジュノーがガニメデに接近し観測

木星探査機ジュノーは2011年8月に打ち上げられました。木星へ向かう中2013年10月9日地球でのスイングバイによる軌道変更の際何らかの故障を検知し探査機がセーフモードになりました。10月11日には復帰し軌道変更が上手くいったことがわかりました。2016年7月に無事木星の周回軌道に乗り木星の探査を始めました。

 ジュノーは木星の起源や進化について観測を通じて探ることやジュノーカムを使った木星の撮影などが行われました。ジュノーは木星を37回周回し観測を行い2018年2月に運用を終了する予定でした。しかし、メインエンジンのトラブルにより軌道の変更が中止され、NASAは2021年7月までの運用延長を決めました。そして2021年1月にはさらに再延長が決まり最長で2025年9月まで観測を行うこととなっています。

 現在ジュノーは木星の衛星ガニメデに向かっています。NASAは、日本時間6月8日2時35分にガニメデに再接近すると発表しました。再接近はガニメデの表面から1038kmまで近づくそうです。ガニメデは衛星といえど水星より大きく内部は氷や岩石、鉄などが層になった構造だと考えられています。ジュノーは「マイクロ波放射計」「紫外線分光器」「赤外線オーロラマッピング装置」などを使いガニメデを観測し、氷でできた外殻の組成や温度に関するデータを取得します。また「Juno Cam」による撮影では40年前のボイジャーが撮ったガニメデの画像と比べ変化を探ります。

 ジュノーはガニメデを観測しつつフライバイを実施し軌道変更を行います。これにより木星の周回日数が1周53日から43日に短縮されるそうです。ジュノーは引き続き木星の観測を行いながら他の衛星にもいく予定があります。2022年9月にはエウロパをフライバイ探査する予定で今後の「エウロパ・クリッパー」による探査に生かされるかもしれません。

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木星探査機「ジュノー」まもなく衛星ガニメデに接近して観測を実施


Wrote: 寺地