小惑星リュウグウに水に浮くほど低密度な岩を発見

日本の小惑星探査機はやぶさ2がサンプルリターンを行った小惑星リュウグウについて現在も持ち帰ったサンプルの解析が行われていることと思います。

さて今回、立教大学の板谷尚哉氏らの研究グループは「はやぶさ2」の観測データを分析し小惑星リュウグウの表面の一部に水に浮く程密度が低い岩塊の存在が研究成果として発表されました。

小惑星リュウグウの誕生当初は今のような形ではなかったそうです。元々は元になった天体(母天体)があり、その母天体が他の微惑星による衝突などが起こり破壊され散らばったものの一つなのだそうです。太陽系初期の頃は塵が集まってできた微惑星が形成され、それがいくつもありました。年月が過ぎると微惑星の内部では放射性元素の崩壊による加熱や自身の重力により圧縮が起こったと思われますが、小惑星リュウグウの母天体はこうしたプロセスがあまり進まないまま崩壊したと思われます。小惑星リュウグウには太陽系初期の塵が集まってできた微惑星の頃の塵などが岩塊に含まれていると思われます。

研究グループは、岩塊や砂地の熱慣性、反射率、色を調べています。今後もこのような水に浮くような低密度な岩塊が見つかるようであれば砂地にもその破片が含まれている可能性があり「はやぶさ2」のサンプル採取によってそれが地球にもたらされているかもしれません。太陽系誕生初期の物質を直接研究できるまたとないチャンスなので、今後サンプルの解析結果が発表されるのが楽しみですね。

ー引用ー

この説によると、加熱と圧縮を受ける母天体内部の大半はリュウグウの表面にみられる岩塊と同じ空隙率(30~50%)になるいっぽうで、表面に近い部分は加熱や圧縮をあまり受けずに空隙率が高く、より初期の情報を残した物質が存在していたことが想定されるといいます。破壊された母天体の破片から誕生したリュウグウは母天体のさまざまな深さにあった物質が集まってできているとみられ、空隙率が低い岩塊と高い岩塊が混ざり合っていることになります。

ー引用終わりー

参考URL

水に浮くほど低密度で始原的な岩がリュウグウに存在、「はやぶさ2」の観測データから判明


Wrote: 寺地