太陽が通る黄道に沿ってうっすら見える光の帯を黄道光と言います。夜明け前や日没後に地平線から光が伸びているように見えるのが黄道光です。黄道光は、黄道に沿って分布する惑星間塵に太陽光が散乱されることで生じます。
デンマーク工科大学のJohn Leif jørgensen氏らの研究グループは、木星探査機ジュノーの観測データをもとに、この惑星間塵が火星由来の可能性があると発表しました。これまで黄道光は太陽系に数々ある小惑星や彗星から放出される塵が起源だとされていました。しかし、研究グループはジュノーが木星への飛行中に検出した惑星間塵の分布を分析し、火星由来の可能性を見つけたそうです。研究グループにとってこの発見は予定外でした。
木星探査機ジュノーに搭載されいる「スタートラッカー」と言うカメラが4台あります。Jørgensen氏が開発したカメラで未発見の小惑星を捉えるのに期待していたそうです。そこで4台のうち1台を識別できない天体が複数の連続画像に写ったことを検出できるようプログラムしていました。そして、ジュノーは研究グループが予想した以上に画像を送ってきたそうです。研究グループは困惑し、原因を探りました。するとジュノーの太陽電池パドルの裏面から飛び出た微細な破片にカメラが反応して撮影していることがわかりました。これは、惑星間空間を秒速5km〜15kmで飛行しているジュノーに惑星間塵が衝突したことで生じたことのようです。この塵の大きさが1~100マイクロメートルと見られ黄道光の惑星間塵の大きさと同じなのではないかと発表しました。
黄道光をもたらしている惑星間塵は太陽から1〜2天文単位の範囲にありその由来は火星であると発表されましたが、しかし火星からどのように塵が宇宙に放出されたのかその方法が未解明です。研究グループは他の研究者に助力を求めているそうです。
ー引用ー
太陽光が弱まる木星以遠を目指した惑星探査機「ボイジャー」や土星探査機「カッシーニ」といった探査機では放射性物質が崩壊する時に発する熱から電力を得る「放射性同位体熱電気転換器(RTG)」を電源として採用することが多かったものの、ジュノーではRTGに代わり合計60平方メートルの太陽電池が搭載されました。地球の周辺よりも弱い太陽光を利用するために備えられた広い面積を持つ太陽電池パドルが塵を捉えたことで、意図せず塵検出器として働いたことになります。
ー引用終わりー
Wrote: 寺地