NASAの太陽探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」は2020年7月に金星での3回目となるスイングバイを行いました。その際撮影された金星の画像が公開されています。パーカー・ソーラー・プローブの広視野カメラ「WISPR (Wide-field imager for Solar Probe)」により撮影された画像は、金星からおよそ1万2400km離れたところから見た金星の夜側を写したものだそうです。
金星の画像を見た運用チームは驚いたそうです。金星は厚い雲に覆われていて可視光線の波長で観測する広視野カメラWISPRで撮影すると雲が写ると予想していたからです。
しかし、届いた画像には金星の雲の下にある地表が写ったいました。これは、JAXAの運用している金星探査機「あかつき」が捉えた近赤外線で撮影した画像ともよく似ていると言います。画像には地表だけでなく荷電粒子や太陽光を反射する塵と思われる何本もの線も写っています。
広視野カメラWISPRは太陽コロナや内部太陽圏を可視光線の波長で観測するように設計されているそうです。もしも広視野カメラWISPRが近赤外線の波長を捉えられると太陽周辺や内部太陽系の塵も研究できるのではないかと新たな期待が出てきているようです。
もしも、広視野カメラWISPRに近赤外線を捉える能力が無いとわかってもその時は、金星大気に何らかの窓のような物があると言う新たな発見が出来たことになりどちらにしても興味深いと運用チームは言っています。
パーカー・ソーラー・プローブは2021年2月20日に4回目の金星スイングバイを行いました。太陽到着までに後2回金星スイングバイを行います。太陽への接近は2024年頃の予定です。太陽の観測でも驚きの発見に期待したいですね。
https://sorae.info/space/20210225-venus.html
Wrote: 寺地