K2-290は伴星が逆回転している!?

地球は太陽の自転と同じ方向に公転しています。火星や木星など他の惑星も同じ方向に公転しています。これは、太陽誕生のときに集まったガスや塵が太陽の重力に引っ張られていたためだと思われます。太陽の自転と同じ方向に回転しながら徐々に惑星が誕生したのでそのままの軌道で公転しているのではないでしょうか。

しかし、広い宇宙の中では主星に対し逆の方向に公転している星もあるそうです。

地球からてんびん座の方向、約890光年先にあるK2-290系は、主星K2-290Aとその周りを公転するK2-290BとK2-290Cの3つの星から構成されています。このK2-290系の伴星であるK2-290BとK2-290Cが主星の自転に対し逆の方向に公転しているのです。そしてこの二つの伴星は主星の自転軸に対し、124度傾いて公転していることもわかっています。

なぜ二つの伴星が主星に対し逆の方向に公転しているのでしょうか?K2-290系を観測している国際研究グループは、数値計算をもとに可能性を示しました。それは、伴星の重力によって惑星形成中の原始惑星系円盤が傾いたのが原因というもの。この傾いた円盤で伴星が誕生したので主星に影響されず逆方向に回転していると言う事だそうです。

K2-290系は、主星のK2-290Aの直径が太陽の1.5倍、質量が1.2倍ある星です。伴星のK2-290Bは主星から約113天文単位の距離にあり、公転周期が約9日で大きさは海王星ほどだそうです。K2-290Cは約2467天文単位の距離にあり、公転周期は約48日で大きさは木星ほどだそうです。

ー引用ー

研究グループによると、伴星の重力が原始惑星系円盤の向きを大きく変化させ得るとする理論は10年近く前に提唱されていたものの、観測によってその証拠が見つかったのは今回が初めてだとされています。研究に参加した平野氏は「今後、伴星を持つ惑星系のさらなる観測によって、K2-290 のように原始惑星系円盤の向きが変化する条件を詳しく調べるととともに、連星をなす惑星系の長期的な安定性を明らかにしたいです」とコメントしています。

ー引用終わりー

参考URL

https://sorae.info/astronomy/20210218-k2-290.html


Wrote: 寺地