ファーファーアウト -太陽系で最も遠い星-

 これまで太陽系の観測史上最も遠い星は「2018 VG18」と言う星でした。しかし、2018年1月にすばる望遠鏡で発見された「2018 AG37」がさらに遠い星だとわかったそうです。

 観測したのは、アメリカのカーネギー研究所、ハワイ大学、北アリゾナ大学の研究者達です。研究者たちは2018 AG37を「Farfarout(ファーファーアウト)」と愛称をつけています。これは同じ研究グループが発見した「2018 VG18」の愛称が「Farout (ファーアウト)」だったからに由来します。

 「2018 VG18」が発見時太陽からの距離120天文単位だったのに対し「2018 AG37」は太陽からの距離約132天文単位だったそうです。この距離は太陽から冥王星までの距離の約4倍も遠い距離になります。

 「2018 AG37」を観測したところ、大きさは直径約400kmほどだそうです。軌道を調べると太陽からの最も遠い時は約175天文単位で太陽から最も近づいた時は約27天文単位だと言うこともわかりました。太陽からの最も近づいた時の距離が海王星より内側になることから、「2018 AG37」は海王星に近づきすぎて弾かれたのではないかと考えられているそうです。

 太陽系の大きさはかつて冥王星までだと思われていました。39.4天文単位です。しかし今は海王星以遠の30〜55天文単位には数多くの小さな天体が見つかっていてエッジワース・カイパーベルトと呼ばれるようになりました。そして今回発見された2018 AG37のようなとても遠い天体も太陽の影響を受けていることが分かってきました。観測技術が向上することで太陽系内での天体がさらに発見されるかもしれません。

参考URL

https://sorae.info/astronomy/20210212-farfarout.html


Wrote: 寺地