soraeのサイトで太陽系外縁天体探査機ニューホライズンズが撮った冥王星の記事が投稿されていました。記事の画像が撮影されたのは2015年7月です。
NASAの太陽系外縁天体探査機「ニューホライズンズ」は2006年アトラスVロケットで打ち上げられた探査機です。ニューホライズンズは打ち上げ後、2007年木星接近時に観測装置の試験を兼ねて木星の観測を行いました。その後、観測機器を休眠状態にして飛行し機器を復旧させたのは2014年12月でした。ニューホライズンズは2015年1月冥王星の観測を開始しました。2015年7月14日冥王星をフライバイ(接近通過)し、冥王星と衛星カロンの撮影を行なったそうです。再接近時は冥王星との距離13,695kmだったそうです。フライバイを終えたニューホライズンズは2015年10月、11月に4回の進路変更を行い次の目的地2014MU69(小惑星アロコス)への軌道に乗りました。
そして、ニューホライズンズは2018年エッジワース・カイパーベルト内の太陽系外縁天体「小惑星アロコス」に到達します。小惑星アロコスは太陽からの距離43.4au(1au=太陽から地球までの距離)でこれまでに探査機が訪れた太陽系内の天体で最も遠い距離に位置する天体です。
ニューホライズンズは小惑星アロコスに3,500km以内まで接近し観測したそうです。小惑星アロコスは雪だるまのような姿をした接触二重小惑星であることが明らかになりました。直径14kmと直径19kmの二つの天体が結合した状態です。表面組成はアンモニア、一酸化炭素、メタン、氷などがあったそうです。小惑星アロコスのフライバイで収集したデータの送信には20ヶ月かかるそうで2020年11月頃に完了したと思われます。収集したデータはいずれ公開される事と思います。
そしてニューホライズンズは今も飛行を続けています。いずれは太陽系から離脱して新たな目標を観測してくれる事でしょう。今後の観測にも期待したいですね。
https://sorae.info/astronomy/20210208-pluto-icy-landscape.html
Wrote: 寺地