火星に大気がないのはなぜ?

 火星は誕生後、大気があり水に覆われていた惑星だったと考えられています。しかし今は渇いた赤い惑星です。

 NASAの火星周回探査機MAVENは火星の衛星フォボスの観測をしたデータから火星の大気から流出した炭素、酸素、窒素、アルゴンなどのイオンが保存されている可能性があるとの発表がありました。

 なぜ火星から大気が失われたのか過去の火星の大気がどのように失われたのかを知る手がかりがフォボスにあるかもしれません。

 火星の衛星はフォボスとダイモスという二つの衛星があります。フォボスは火星から9400kmほどのところを公転しています。これは地球の月との距離に比べて1/60ほどとかなり近いところにあります。そして、フォボスは潮汐ロックにより火星に対し常に同じ面を向けて公転しています。この事により、フォボスを調べることで火星の大気流出について、過去にどのような事があったのか知ることができるかもしれません。

 日本のJAXAによって、火星の衛星に探査機を送りサンプルリターンを行う火星衛星探査計画「MMX」が2020年代前半に行われます。フォボスのサンプルを分析する事で過去の火星の大気の進化を詳しく知ることができるかもしれません。

参考URL

https://sorae.info/astronomy/20210210-jaxa-mmx.html


Wrote: 寺地