観測史上最遠の銀河GN-z11

 おおぐま座の方向にある高赤方偏移銀河「GN-z11」が134億光年先にあると確認され、観測史上最遠の銀河だとわかりました。

 GN-z11はハッブル宇宙望遠鏡やスピッツァー宇宙望遠鏡による観測データから2016年に発見された銀河です。

 今回GN-z11の距離を調べたのは、北京大学カブリ天文天体物理研究所のLinhua Jiang氏や東京大学の柏川伸成氏らの研究グループです。研究グループは、ハワイのマウナケア山にあるケック天文台の「ケックI望遠鏡」とそれに備えられた近赤外線分光器「MOSFIRE」を使い、近赤外線の波長で分光観測を行ないました。分光観測とは、星から届く電磁波を各波長ごとに分光し特徴を調べる観測方法です。GN-z11を観測したところ、炭素イオンや酸素イオンを放つ光を検出し、それをもとに算出した赤方偏移は10.957で、約134億光年先から来る光だとわかったそうです。また、GN-z11は誕生から7000万年と若く、質量は太陽の10億倍だそうです。

 誕生間もない宇宙は水素やヘリウム、わずかなリチウムしか存在しなかったと考えられています。GN-z11には炭素や酸素の存在が確認されたことで、宇宙ができた早い段階でそれらの元素が生まれていたのか気になるところです。

 2021年に打ち上げられる新たな観測装置ジェイムズ・ウェップ宇宙望遠鏡がこの疑問に迫れると期待されています。楽しみですね。

参考URL

https://sorae.info/astronomy/20201215-gn-z11.html


Wrote: 寺地