2020年9月に観測されたミニムーンの正体は?

 太陽を周回している小惑星の中には、地球の公転軌道に一時的に引かれ地球を周回する小惑星が稀にあります。このような小惑星をミニムーンと呼んでいます。2020年2月アリゾナ大学の観測プロジェクト「カタリナ・スカイサーベイ」によって観測された「2020 CD3」と呼ばれるミニムーンは2017年頃から地球を周回していたと思われるそうです。大きさは、直径1m~1.5mと推定される小さなものです。

 そして2020年に捉えたもう一つのミニムーン「2020 SO」と呼ばれているものについて、小惑星ではなかったと言う発表がされました。これは観測された当初から指摘されていましたが、改めて確認されたようです。ミニムーンと思われた「2020 SO」はNASAが1966年9月に打ち上げた月探査機「サーベイヤー2号」の打ち上げロケット「アトラス・セントール」ロケットの上段部分セントールロケットと確認されたそうです。アトラス・セントールはアトラスミサイルから派生したロケットで3段式です。1段目と2段目がアトラスロケットで3段目がセントールロケットです。

 このミニムーン「2020 SO」はハワイの掃天観測プロジェクト「パンスターズ」の観測によって2020年9月に発見されました。セントールだと指摘された「2020 SO」をハワイのNASA赤外線望遠鏡施設IRTFを使って分光観測し、静止トランスファ軌道にある別のセントールの観測データと照らし合わせることで確認ができたそうです。「2020 SO」は2020年12月1日に地球から5万kmまで接近し、2021年3月には地球を離れ太陽を公転する軌道に戻るそうです。

参考URL

https://sorae.info/astronomy/20201203-minimoon.html


Wrote: 寺地