天の川銀河の中心までの距離はどれくらい?

 私たちの地球がある太陽系は天の川銀河の中では端の方にあると思われます。太陽系から天の川銀河の中心部までの距離を国立天文台VLBI観測所と鹿児島大学の研究者を中心としたグループがこれまでの想定より近い距離であると発表しました。

 観測方法は岩手県や鹿児島県、小笠原、石垣島にある4ヶ所の電波望遠鏡を連携させた超長基線電波干渉計を用いたプロジェクトです。「VERA (VLBI Exploration of Radio Astrometry)プロジェクト」と名付けられました。この観測では、天体の位置や距離、運動などを捉える位置天文観測が行われました。VERAプロジェクトで得られた99の天体のデータや欧米の研究グループが観測した天体のデータを解析するなどして今までより高い精度で位置測定が行えました。この結果で、太陽系から天の川銀河の中心までの距離が25,800光年だと求められました。また、銀河の回転速度は毎秒227kmだそうです。

 国際天文学連盟が1985年に天の川銀河の中心までの距離は約27,700光年だとする勧告をしていましたが、それより2000光年ほど短い距離だった事が判明しました。

 現在VERAプロジェクトは、天の川銀河の中心にある「いて座A*」の距離測定に挑戦しているそうです。そこにはブラックホールがあります。今後、VERAプロジェクトの観測によって天の川銀河の中心ブラックホールの研究が進むことに期待が膨らみます。

参考URL

Sorae

太陽系から銀河中心までの距離は約2万5800光年。日本のVLBIなどによる観測成果



VERAプロジェクト
https://www.miz.nao.ac.jp/veraserver/hilight/20201125_catalog/index.html


Wrote: 寺地