太陽から2番目の惑星である金星に生命がいる可能性が指摘されています。金星は気温が摂氏約480度、気圧が90気圧ととても生命が生存できそうな環境ではないのですが、金星でホスフィン(リン化水素 PH₃)が検出されたとする報告があるためです。
ホスフィンが岩石質の惑星で非生物的な作用で生成されるとは考えられないので未知の生成過程があるのか、あるいは生命の存在を示しているのかまだ解明はされていません。地球におけるホスフィンは、嫌気性生物(増殖に酸素を必要としない生物)によって生物的に生成される物です。木星などガス惑星では大気の奥深くの高温高圧な環境で生成される事は知られています。
金星のホスフィン検出の発表は以前あったのですが観測データの一部に天体起源ではない波形やデータ解析のソフトウェアにも軽微な問題が見つかったとして再解析が行われる事になったそうです。アルマ望遠鏡における金星観測のデータを再解析した結果、アルマ望遠鏡化学データアーカイブに公開されるとの事です。
金星でホスフィンが観測されたのは、2017年のハワイ「ジェームズ・クラーク・マクスウェル望遠鏡」による観測とアルマ望遠鏡による2019年の金星観測により観測され、発表に至ったそうです。
金星のホスフィン検出を発表したカーディフ大学のJane Greaves氏らの研究グループは金星の雲や地表からのサンプルリターンに触れていて、NASAジェット推進研究所やヨーロッパ宇宙機関などでは検討されているそうです。
なかなか生命が存在するには厳しい環境ですが実際にそれに適応し生きている何らかの生命がいてもおかしくないと思うのでサンプルリターンが実現すれば成果が得られるのではと期待してしまいます。実現してほしいですね。
ー引用ー
この検証結果を受けて、該当のデータは問題があった場合の標準手順に従ってアーカイブから一旦削除され、再処理が行われていました。ホスフィンが検出されたとする研究成果に対しては反証も相次いでおり、Greaves氏らは再処理された金星の観測データを使った研究を進めています。
ー引用終わりー
https://sorae.info/astronomy/20201122-alma-mercury.html
Wrote: 寺地