木星の衛星エウロパの間欠泉は隕石の影響?

 木星にあるガリレオ衛星の一つエウロパは表面が氷で覆われた星です。その厚さは3kmと言われていて氷の下は液体の海があると思われています。そして、そこには生命の存在も期待されている星でもあります。

 スタンフォード大学のシュタインブリュッゲ博士らの研究チームはエウロパにあると考えられている間欠泉(プルーム)の発生モデルを提唱しました。

 まず、エウロパの間欠泉は、ハッブル宇宙望遠鏡やケック天文台、NASAの木星探査機ガリレオなどの観測から間欠泉があると考えられるそうです。ただ発生原因がよく分かっていません。研究チームは、隕石の衝突によってできた幅29kmのマナナンクレーターの分析し、隕石の衝突によってできた貯水池のようなものから間欠泉が起きるのではと考えられています。

 貯水池は、隕石衝突で外殻の氷が熱で溶けますが、塩分を含んだ水がすぐにまた凍り始めます。その時外殻の氷の中に液体の塩水の塊が残り、それがより塩分の低い氷を溶かしながらクレーターの中心部分へ向かって移動し、そして塩水の塊が集まり、外殻の中に貯水池のような物ができたと考えられるようです。

 この貯水池は、やがて内圧が高まり、そして破裂し間欠泉が発生する、と言うことだそうです。

 研究チームが発表したのはあくまで仮説でまだまだわからないことが多いエウロパですが、今後探査機エウロパ・クリッパーがエウロパでの観測を行った時謎が解明さるかもしれませんね。打ち上げはまだ先ですが期待したいです。

参考URL

https://sorae.info/astronomy/20201115-europa.html


Wrote: 寺地