クジラ座の方向40億光年先にある銀河団を観測した広島大学の岡部信広氏らの研究グループは銀河団の衝突によって摂氏4億度という超高温に加熱されていると言う研究成果を発表しました。
銀河団とは数千万という天体が集まってできた銀河がさらに数百個から数千個集まった銀河の集団です。そして、銀河団はX線を放射する高温のガスや質量の大半を暗黒物質(ダークマター)から構成されています。
今回研究グループが観測したのは銀河団「HSC J02336-053022(XLSSC 105)」です。銀河団が衝突などによって超高温になることは理論上予測されていましたが、これまで観測できていませんでした。研究グループは衝突を起こしている銀河団「HSC J02336-053022」に注目し、すばる望遠鏡やヨーロッパ宇宙機関ESAのX線観測衛星「XMM-Newton」、アメリカのグリーンバンク天文台にある100mの電波望遠鏡による可視光線、X線、電波での多波長観測を行いました。グリーンバンク天文台の電波望遠鏡やXMM-Newtonの観測データの組み合わせによって超高温ガスの空間分布を調べる事ができたそうです。すばる望遠鏡は重力レンズ効果を利用しダークマターの分布を調べたそうです。銀河団の中にはダークマターが2つの塊に分かれていて衝突が起きていることがわかるそうです。
研究グループが観測データを分析し、衝突によって約4000万度の高温ガスが摂氏4億度と言う超高温に加熱されていることがわかったそうです。銀河団の衝突によってこれほどの超高温が発生しているのは驚きです。
https://sorae.info/astronomy/20201116-xlssc105.html
Wrote: 寺地