土星の衛星タイタンでシクロプロペニリデンを初検出!

NASAのゴダード宇宙飛行センターの研究グループはアルマ望遠鏡を使った観測で土星の衛星タイタンの大気中でシクロプロペニリデンと呼ばれる化合物を検出したと発表しました。

シクロプロペニリデンは芳香族化合物の一種で、これまで星々の間にあるガスや塵が集まった星間分子雲では検出されていましたが、天体の大気中で検出されたのはタイタンだけだそうです。

研究グループのConor Nixon氏はタイタンに存在し得る生命を支える複雑な化合物のもとになる可能性もあるのではと述べています。

土星の衛星タイタンは初期の地球に似た環境と言われています。水星より大きく大気があり、主成分は窒素で、気圧は地球の1.5倍です。メタンの雲がありその雲からメタンの雨が降っています。地表にはメタンの海が存在しているそうです。

これまでにタイタンには土星探査機カッシーニによる観測やカッシーニの子機ホイヘンスによる着陸探査が行われましたが、今後NASAのニュー・フロンティア計画の一環でタイタンに探査機を送る計画があります。2027年に打ち上げ予定のドローン型探査機ドラゴンフライです。打ち上げはまだ先ですが今後タイタンの詳しい調査が行われるので、もしかしたら生命の存在も見つかるかもしれません。

ー引用ー

タイタンの大気にシクロプロペニリデンが存在している理由や、他の天体の大気では検出されない理由についてはまだ未解明とされています。Nixon氏は「シクロプロペニリデンよりも大きな分子を探していますが、地表に降り注ぐ複雑な有機分子が形成される化学反応を理解するには、大気中で何が起きているのかを知らなければなりません」と語ります。

ー引用終わりー

参考URL

https://sorae.info/astronomy/20201029-cyclopropenylidene.html


Wrote: 寺地