NASAは数日前から月に関する発表を10月27日に行うと予告していました。そして、発表された内容は、月の太陽光が当たる領域に初めて水分子を検出したと言う事でした。10年前、月面に閉じ込められた水の痕跡が確認されましたが、水(H2O)か水酸基(OH、ヒドロキシ基)かの識別はできなかったそうです。
本来ならほぼ大気のない月では太陽光に照らされた水分子は気体となり宇宙空間へ流出していくはずですが、何故か水分子が検出されました。月面に衝突する微小隕石からもたらされたり、太陽風によって運ばれる水素が酸素を含む月面の鉱物によって反応して水が生成されたりしているのではと考えられているそうです。
今回の発表では2つの論文が報告されていて、その一つには光が当たらない場所に氷が蓄積されている事を確認しており、水が閉じ込められている面積は約4万平方kmに及ぶ可能性があると示されています。もう一つの論文には光が届く場所にも水分子が存在する証拠を確認した、と報告がされているそうです。
今後有人月面探査が2024年より始まるとされていますが人の手によって実際に月の水が確認されるのも近いですね。また、もし実際に飲み水などとして使えるとなれば地球から持って行かなくてもいいので今後の月面探査計画などに大いに役立つことになるのではないでしょうか。
ー引用ー
Honniball氏らはNASAとドイツ航空宇宙センター(DLR)が運用する成層圏天文台「SOFIA」を使い、月の南半球にあるクラヴィウス・クレーター(直径約230km)を観測しました。研究グループは水分子特有の波長の赤外線(6.1μm)を検出することに成功しており、100~412ppmの濃度(NASAは1立方メートルあたり12オンスボトル(約350ml)1本分にほぼ相当すると表現)で水分子が存在することを示す結果が得られたといいます。
ー引用終わりー
https://sorae.info/astronomy/20201027-sofia.html
Wrote: 寺地