韓国とフランスの大学の研究者が、「暗黒エネルギー(ダークエネルギー)」
が存在するとの結論に繋がる、宇宙が加速膨張しているとの観測結果に疑問を投げかける論文を発表しました。
現在の宇宙論では、宇宙に存在するものの5%しか人類は観測できておらず、残りの95%は「暗黒物質(ダークマター)」が約27%と「暗黒エネルギー(ダークエネルギー)」が約68%とで構成されていると説明されています。
「ダークエネルギー」とは宇宙が加速膨張しているとの観測結果を説明するために必要と考えられている要素ですので、実際に存在が観測されたものではありません。
さて、宇宙が加速膨張するとの結論に至った研究について説明します。こればIa型超新星の観測結果から導き出されました。太陽のような恒星は内部で核融合をすることで強い光と熱を発していますが、その核融合が終わった恒星を白色矮星と呼びます。この白色矮星が崩壊して他の恒星と融合すると超新星爆発を起こします。これがIa型超新星です。Ia型超新星はある決まった質量でで発生するため、どの天体でも同じ明るさになると考えられ、その天体を含む銀河までの距離を測るのに使われます。
ところが、今回論文を発表したグループは、Ia型超新星を含む銀河の形態や質量などによって、Ia型超新星の明るさが変わることを発見しました。つまり、Ia型超新星の明るさがどの天体でも同じになるとは限らないので、宇宙が加速膨張しているとする宇宙論を再検討する必要があるとしています。
新しい発見によって、それまで正しいとされてきたものが覆ってきたのはこれまでの歴史の中で多くありました。ダークエネルギー存在するのか、しないのかは現時点では全くわかりませんし、他の研究結果との矛盾もあるので、この研究の続報を待ちたいと思います。
https://news.nicovideo.jp/watch/nw6421025
https://arxiv.org/abs/1912.04903
https://tocana.jp/2019/11/post_121633_entry_2.html
Wrote:わたなべ