この宇宙がビッグバン以来、膨張を続けているというのが最新の宇宙理論で考えられていることですが、ハッブル宇宙望遠鏡を使った膨張速度(ハッブル定数)の最新の観測結果が公表され、宇宙初期から宇宙の膨張速度が約9%速くなっていることが発見されました。
ハッブル望遠鏡で観測したのは、16.2万光年の距離の大マゼラン雲にある、一定の周期で明るさを変化させる変光星の一種で、その明るさ(絶対等級)と周期に関連があることが知られているケファイド変光星(セファイドとも呼ばれる)です。
明るさと明るさの変化の周期を観測することで、ケファイド変光星までの距離がわかることが知られており、過去にもハッブル定数の測定のために観測されています。
今回の観測で、ハッブル定数は74.03キロメートル/秒/Mpcと算出されました。「Mpc」はメガパーセクと呼び、距離を表す単位で、1pc(パーセク)が約3.26光年ですので、Mpcは326万光年になります。
これは326万光年あたり、毎秒74.03キロメートル膨張しているということで、1光年あたりですと、毎秒22.7ミリメートル膨張しているということになります。
過去の観測結果から宇宙初期の膨張速度は67.4キロメートル/秒/Mpcとの結果が出ており、この結果との比較で約9%膨張速度が速くなっていることが発見されました。
宇宙の膨張速度がだんだん速くなっていることは以前から発見されていましたが、今回の測定結果が出たことで、より正確な速度がわかったことになります。
ただ、宇宙の膨張速度が速くなっている原因については、未知の暗黒エネルギーが関係しているとも言われていますが、正確な所は、まだ謎のままです。
今後の研究成果の発表を期待しましょう!
やはり宇宙は加速している。より正確なハッブル定数の数値が判明 | sorae:宇宙へのポータルサイト
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Wrote: わたなべ