2019年12月20日に打ち上げられた米ボーイング社の有人宇宙船Sterliner(スターライナー)が、打ち上げ直後にトラブルが発生し、国際宇宙ステーション(ISS)には向かわず、22日に地球に帰還することになりました。
NASAによると、スターライナーが搭載する時計が正常に同期されていなかったために、スターライナーが実際よりも飛行が進んだ段階にあると認識し、正常な軌道に戻そうと燃料を過剰に消費してしまった事が、ISSとのドッキング中止の原因との事。
さて、今回の打ち上げは無人でのミッションでしたが、NASAによると、もし有人でのミッションであったら、宇宙飛行士が手動でコマンドを入力することで、今回の異常の原因を回避できた可能性があるようです。今回の打ち上げの直後、異常を検知した地上チームはコマンドを送信したのですが、データ中継用の衛星等との位置関係の影響でスターライナーにコマンドがすぐに到達しませんでした。
アメリカとしてはロシアとのソユーズでのISSへ人員輸送の契約が2020年初頭に切れるので、アメリカ独自のISSへの人員輸送手段確立は急務となっており、この3月にはスペースXの有人宇宙船のクルー・ドラゴンが無人での打ち上げに成功し、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を届けるのに成功していました。
何度も打ち上げが延期となっていたボーイング社のスターライナーがやっと打ち上げられました。 今回はISSとのドッキングが中止されましたが、トラブルがありながらも、現状地球周回軌道を無事に回っている事から、このまま無事に地球に戻る事ができれば、安全上の問題もなく、部分的成功と言えるかと思います。とはいえ、有人での打ち上げがいつになるか気になるところです。
参考
https://www.afpbb.com/articles/-/3260587
https://www.space.com/nasa-chief-reacts-boeing-starliner-anomaly.html
https://www.space.com/boeing-starliner-oft-fails-to-reach-correct-orbit.html
Wrote:わたなべ