火星の酸素の奇妙な振る舞いとは?キュリオシティの新たな発見

 2019年11月12日、火星探査ローバーのキュリオシティが火星表面の酸素濃度が春と夏に急激に上昇していることを発見したとの論文が発表されました。従来からの観測でも春と夏に酸素濃度が上がることはわかっていましたが、もっと緩やかな変化と考えられていました。ただし、これは植物が火星表面にあってその光合成によるもの、というわけではありません。

 この火星の酸素濃度の変化は太陽からの紫外線が二酸化炭素と水蒸気に作用して分解し、酸素が生成され流ものです。その後、酸素は別の過程を経て二酸化炭素に戻ると考えられています。

 火星では酸素濃度は春と夏に上昇し、秋と冬に徐々に濃度が下がりますが、メタンも同様の変化するようです。以前当ブログでも火星のメタン濃度についての記事を掲載しましたが、その記事で火星のメタン濃度は季節性の変化をすることを伝えています。

 この季節性の酸素濃度の急な変化の原因については、明らかになっていませんが、ある科学者は火星の土壌中の物質にあると考えているようです。詳しくは参考に挙げた論文をご覧くださいね。

 このニュースを聞いた時、植物の影響か?と思った私の考えはあっさり冒頭で否定されてしまいました。しかし、このような謎な現象が観測されると、やはり実際に火星に向かって、精密な測定をしたくなりますね。

過去記事

火星にやはり生命は存在しているのか?キュリオシティの新たな発見!



参考

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/19/112000674/?P=1



https://agupubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1029/2019JE006175

Wrote:わたなべ