インドが打ち上げた月探査機が月面着陸に挑戦しましたが、月面への降下途中に通信が途絶し、着陸に失敗したと伝えられています。月の上空を周回している月周回衛星は着陸機を発見したようですが、通信は再開できていないようです。少なくとも14日間は通信回復に努める計画とのこと。
インド宇宙研究機関(Indian Space Research Organisation「ISRO」)による月面着陸時のライブ動画を見ると、高度2キロを過ぎたあたりで予定の軌道から外れていっているのがわかります。
月面着陸挑戦時のライブ動画(動画の50:20すぎから、軌道から外れていっている様子がわかります。)
当ブログでも過去にお伝えしましたが、インドの月探査機Chandrayaan2(チャンドラヤーン2号)は2019年7月に打ち上げられ月面着陸に挑戦していました。9月2日には月面着陸機(ランダー)の「Vikram(ヴィクラム)」と月面探査機(ローバー)の「Pragyan(プラギャン)」の分離に成功し、9月6日に月面着陸に挑んでいました。
ちなみに「Vikram」はインド宇宙工学の父と呼ばれるISRO初代所長のヴィクラム・サラバイ(Vikram Sarabhai)氏に由来し、「Pragyan」はサンスクリット語の「知識」を意味する言葉とのこと。
計画通りに進んでいれば、着陸成功後、着陸機や、月面探査機に搭載している観測機器で水資源などの調査を行う計画でした。
今年4月に挑戦したイスラエルにつづき、インドの月面着陸も通信できなくなったことにより、着陸に失敗してしまいました。月面着陸に成功したのは、ロシア、アメリカ、中国の3ヶ国のみのままです。中国の月面探査機の調査結果が興味を惹かれるものが多いので、新たな月面探査に期待していたのですが、簡単には行かないものですね。
Wrote: わたなべ