エウロパで塩化ナトリウム発見か?

先日、月と木星のランデブーがあり、ちょうど天体望遠鏡で月や木星を観測していました。
望遠鏡の性能がイマイチなのでちゃんとは見えませんが辛うじてガリレオ衛星が確認できました。

そのガリレオ衛星の一つエウロパで塩化ナトリウムの存在が報告されました。

これまでの観測でエウロパには塩分を含んだ液体の水が氷の下にあるのではと推測されていました。

ところが確たる証拠が見つかっていませんでした。
それはこれまでエウロパの観測が赤外線によるものしか無かったからです。

この程ケック望遠鏡を使った赤外線分光観測でこれまでより詳しくエウロパを調べたところ以前の観測では硫酸マグネシウムだと思われていたものが別の物質の可能性が確認されました。

研究チームはエウロパに対しハッブル宇宙望遠鏡による可視光での分光観測を行いました。
その結果放射線を浴びて黄色くなった塩化ナトリウムだと確認されたそうです。

エウロパは表面が氷で覆われていますがその内部は液体の水があることはこれまでの観測でわかっています。
この事により、エウロパには何らかの生命が存在すると思われています。
そして今回報告された塩の元である塩化ナトリウムがある事で一層その期待が高まります。

2020年代にNASAはエウロパの海を調査する探査機を打ち上げる予定です。
生命の存在を見つけられるか楽しみですね。

一方、NASAジェット推進研究所のKevin Handさんは、エウロパに似た条件の下で海の塩に放射線を照射する実験を行っていて、塩化ナトリウムに放射線を当てるとわずかに黄色みを帯びた色に変わり、可視光線の分光分析で検出できるようになることを発見していた。これは放射線によって結晶に格子欠陥ができて色を帯びるもので、色の悪い宝石に放射線を当てて人工的に色付けする処理などでもこの現象が応用されている。

参考URL

エウロパの表面に食塩があった – アストロアーツ
http://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/10683_europa

Wrote: 寺地