先日、当ブログでNASAがロシアのロスコスモスと協力して、金星探査を行うことを計画していることをお伝えしましたが、NASAはさらに挑戦的な探査である、金星での有人探査を計画していると、報道されています。
このミッションは「High Altitude Venus Operational Concept(HAVOC:高高度金星運用コンセプト)」と名付けられています。
先日の記事でもお伝えした通り、金星の表面は平均気温が約460度、大気圧が90気圧、二酸化炭素が主成分で、二酸化硫黄の雲から硫酸の雨が降っている過酷な環境です。このような過酷な環境に人間を送りこむのは非常に難しいミッションと思われるかもしれません。
このHAVOC計画では、上層大気の上に長時間滞在できる飛行船を使用することで、金星に人の滞在を可能にすることを目指しています。金星の高度50km〜60kmは太陽系内で最も地球に似た場所と言われており、
金星大気中の55kmの大気圧は、地球上の海面の水圧の約半分で、これはキリマンジャロ山の頂上で遭遇する大気圧とほぼ同じです。
さらに、気温が20℃から30℃の範囲であることがわかっています。尚、この高度においても硫酸の雨は降るので、対策が必要になるのですが、我々にも身近なテフロンやプラスチックを用いれば金星滞在用の飛行船を硫酸から守ることができるのです。
このHAVOC計画の時期は明確に決まってはいないとのことですが、
実現したら、非常に興味を掻き立てるミッションになりそうです。SFの世界でしかできなかった金星旅行も遠くの未来には可能になるかもしれませんね。
NASA 金星への有人飛行を計画 | Sputnik 日本
https://jp.sputniknews.com/science/201810225485239/
Wrote: わたなべ