広島大学、東京大学、名古屋大学、早稲田大学とスウェーデンの国際共同研究グループがブラックホール連星系からの偏光情報の測定に世界で初めて成功しました。
同研究グループは開発した硬X線の偏光検出器PoGO+(ポゴプラス)使って、ブラックホール連星系「はくちょう座X-1」を偏光観測したとのことです。
ブラックホールに降り積もり、吸収される物質は、強い重力によって高温に熱せられ、X線で光り輝きます。この、高温に熱せられた物質はコロナと呼ばれ、降着円盤でどのくらいのX線が反射、散乱されているかを調べることで、コロナと降着円盤の幾何学的な構造が調査されたそうです。
この研究が進むと、ブラックホールの自転速度やブラックホールによってもたらされる時空のゆがみなど、今まで謎に包まれていた部分が明らかになる可能性があるとのことです。
偏光研究はほとんど手つかずの領域ということで、調査の更なる発展が期待されますね。
用語
硬X線(ATOMICAより引用)
X線のうち波長の短い(0.001~0.1nm)ものをいう。また、以下のような特徴を持つ。
(1)極めてつよいX線であり、一般に利用されているX線管方式のものと比較して百万倍以上も強い強度を持つ(高輝度)(2)赤外線~硬X線領域までの連続スペクトルであり、実験に必要な波長を任意に選択できる(連続スペクトル)。太陽物理学では硬X線はフレア時の超高温ガスから放射される
硬X線 | ATOMICA
http://www.rist.or.jp/atomica/dic/dic_detail.php?Dic_Key=1834
降着円盤(コトバンクより引用)
高密度星 (白色矮星〈わいせい〉,中性子星,ブラックホール) や原始星などを取り巻く,ガスやチリから成る回転円盤のこと。
降着円盤(こうちゃくえんばん)とは | コトバンク
https://kotobank.jp/word/降着円盤-157453
※ニュース記事3枚目の写真「ブラックホール連星系(想像図)」が降着円盤です。
Wrote: Sunny+