天の川銀河で星の誕生に関わる発見

 一つ目は、南米チリのアタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計通称「アルマ望遠鏡」による観測で確認された天の川銀河の中心部で星の形成に十分な条件が揃っているにもかかわらず星の形成が起こっていない場所があることが発見されました。

 観測を行なっているのはアルマ望遠鏡の天文学者ペイ・イン・シーエ氏率いる研究チームです。

 天の川銀河の中心部には超大質量ブラックホール「いて座A*(いてざえーすたー)」があり、その周囲には濃いガスの円盤があると言います。このガスの円盤が新たな星を形成する材料になると思われていましたが、星を形成し得る程濃いガスの集まりを観測出来てもこの領域では新しい星の形成は観測出来ませんでした。

 研究チームは、星が形成されない原因を付近に存在する磁場では無いかと推測しているそうです。さらなる観測によって謎を紐解いてほしいですね。
 
 もう一つは逆に天の川銀河で星を生み出す巨大空洞があることがわかったそうです。

 発表したのはハーバード&スミソニアン天体物理学センターの博士研究員シュミュエル・ビアリー氏率いる研究チームです。

 場所はペルセウス座とおうし座の間にあり、大きさは直径500光年程もあり球形をしています。周囲にはペルセウス座分子雲、おうし座分子雲に囲まれていて誕生したばかりの星が数百確認できるそうです。

 研究チームは、ヨーロッパ宇宙機関が運用するガイア位置天文衛星のデータを使って作成された3Dマップでこの領域を分析し、この巨大な空洞を発見しました。

 なぜこのような空洞があるのかまだわかっていません。研究チームはシナリオとして超新星爆発による衝撃波によってガスや地理が押しやられ出来たのではと言います。押しやられ濃くなったガスやチリが新たな星の誕生に繋がっていると考えられます。

 天の川銀河の中でもまだまだ未知の部分があります。今後の観測によって新たな発見があることを想像すると楽しみです。

参考URL

sorae 「天の川銀河の中心部では謎の何かが星の誕生を妨げていることが判明」

天の川銀河の中心部では謎の何かが星の誕生を妨げていることが判明



sorae 「天の川銀河内で星を生み出す巨大空洞が発見される」

天の川銀河内で「星を生み出す巨大な空洞」が発見される


Wrote: 寺地