2021年8月9日、10日に相次いで2機の探査機が金星スイングバイを行ったそうです。スイングバイは天体の運動と重力を利用し探査機の運動スペクトルを変更する技術です。目的の天体への探査機の軌道変更や速度の加減速を機体の燃料を消費せず行う事ができます。
8月9日には、欧州宇宙機関(ESA)とNASAの太陽探査機「ソーラー・オービター」が金星表面から7995km以内を通過しました。ソーラー・オービターは2020年12月以来の2回目のスイングバイです。続いて8月10日にESAとJAXAの水星探査機「ペビ・コロンボ」がスイングバイを行いました。ペビ・コロンボは金星表面から552kmの距離まで近づきました。ペビ・コロンボも2020年10月以来の2回目の金星スイングバイでした。
ソーラー・オービター、ペビ・コロンボそれぞれの金星接近時の画像が公開されていますので是非ご覧ください。
太陽探査機ソーラー・オービターは2021年11月27日に地球スイングバイを行い、その後金星スイングバイを何度か行いながら太陽の極域へ向かいます。2023年頃に運用軌道に到達し太陽の観測を行います。
水星探査機ペビ・コロンボはJAXAの水星磁気圏探査機とESAの水星表面探査機の2機で構成され水星に向かっています。この後2021年10月1日、2日にかけて1回目の水星スイングバイを行います。水星スイングバイは合計6回行い2025年に水星の衛星軌道に投入され本格運用が始まります。どちらの探査機も運用が始まるが楽しみな機体です。
Wrote: 寺地