一角獣座の方向およそ1500光年先にある赤色巨星「V723」と言う星の近くで太陽の約3倍の質量を持つブラックホールが発見されました。発見したのは、オハイオ州立大学のTharindu Jayasinghe氏らの研究グループです。今回発見されたブラックホールを研究グループは一角獣座にちなんで「ユニコーン」と呼んでいるそうです。
今回発見されたブラックホール「ユニコーン」は、これまで見つかっていたブラックホールの中では最も質量の軽いブラックホールです。赤色巨星「V723」とは連星を成していて、約60日周期で互いの周りを公転しています。赤色巨星V723と言う星は、質量が太陽と同じ程ですが直径は太陽の25倍にまで膨らんでいると見られます。また、連星を成すユニコーンの重力がもたらす潮汐力によってV723はユニコーンの方に引き伸ばされた形をしていると予想されているそうです。
恒星質量ブラックホールは超新星爆発によって形成されると考えられています。また、中性子星同士のぶつかりによって潰れる過程で誕生するブラックホールもあります。こうして誕生するブラックホールですが、これまで質量の小さいものは発見されていませんでした。2019年10月には太陽の3.3倍の質量を持つブラックホールが発見されていました。今回見つかったユニコーンはさらに質量が軽いブラックホールです。今後もさらなる観測によって質量の軽いブラックホールが発見されるかもしれません。
Wrote: 寺地