1回の自転が1時間と短い褐色矮星が観測される

 ウェスタン大学のMegan Tannock氏らの研究グループは、1回の自転が1時間ととても短い周期で自転する褐色矮星を3つ確認したと発表しました。

 褐色矮星とは、質量が木星型惑星より大きく、赤色矮星より小さい超低質量天体の分類です。軽水素の核融合を起こすには質量が小さすぎ恒星になることができない亜恒星天体の一つです。

 今回確認された褐色矮星は「2MASS J0348-6022」「2MASS J1219+3128」「2MASS J0407+1546」と言う星で、それぞれ質量が木星の約43倍、約49倍、約67倍です。直径はいずれも木星とほぼ同じだそうです。そして、それぞれの自転周期は約1.08時間、約1.14時間、約1.23時間と言う事でとても早く自転しています。それぞれの褐色矮星は赤道における回転速度が時速約36万km以上とされ、その速度から赤道付近が膨らんだ形をしているそうです。褐色矮星の自転速度はこれが限界なのではないかとされています。これより自転速度が速くなると星自体が引き裂かれてしまう可能性があるそうです。

 一方で褐色矮星に関する理論モデルでは1時間の自転周期より約50%~80%短くなることも考えられると示されているそうです。研究に参加しているウェスタン大学のStanimir Metchev氏は、褐色矮星の内部の状態は最先端の研究施設でも再現は困難で、褐色矮星の全体像を把握しきれていない可能性があり、今後のさらなる観測などで星の崩壊を防ぐ仕組みが見つかるのではと期待しているそうです。

参考URL

約1時間で1回自転する褐色矮星が確認される。限界に近い自転速度か


Wrote: 寺地