2020年12月7日スペースXのカーゴドラゴンによって打ち上げられた国際宇宙ステーション(ISS)の新モジュール「ビショップ(NanoRacks Bishop airlock)」が12月20日「ISS」に取り付けられました。

　ビショップは、アメリカのナノラック社が製造したエアロックモジュールで超小型衛星の放出や科学実験に使用されます。ドーム状の形をしたビショップはハッチなどは無い単純な構造です。超小型衛星を放出する時はロボットアームの「カナダアーム2」を使ってビショップを宇宙ステーションから取り外し、宇宙ステーションとの接続部から直接衛星を放出します。超小型衛星の放出は日本の実験棟「きぼう」のエアロックからも行えましたが、ビショップは「きぼう」の5倍の容量があり今後需要が高まる衛星放出の機会拡大と実験機会の増加に貢献する計画です。

　また、ビショップ内部では宇宙ロボットスタートアップ企業「GITAI」の開発した宇宙用ロボットアーム「S1」の汎用作業遂行技術実証が2021年度に行われるそうです。GITAIは宇宙領域での作業ではロボットを使用する事で作業コストを100分の1に下げる事を目指す企業で、宇宙用自律ロボット技術の獲得のため実証機としてS1を設置するそうです。GITAIは、宇宙ステーションの船内、船外の作業や衛星の修理・メンテナンス作業、月面探査や基地開発作業など様々な面で今後ロボットの需要が高まるのを見越し実証実験を行うそうです。ロボットアームの技術実証の成果が楽しみですね。

参考URL

Sorae
https://sorae.info/space/20210106-nanoracks-bishop-airlock.html

GITAIのロボットアームS1

GITAIのサイト

S1

Wrote: 寺地