ボーイング社の有人宇宙船スターライナー

ボーイング社が開発中の有人宇宙船スターライナーの無人による試験飛行を2021年3月29日に実施すると発表しました。スターライナーは2019年12月の無人による初飛行を行いましたが、打ち上げ直後にトラブルが起き、予定の軌道に乗ることができませんでした。国際宇宙ステーションへのドッキングを断念。2日間で最低限の試験を実施し帰還しました。

トラブルの原因は機体のコンピュータがミッションの経過時間を間違って認識していたことで、計画外のタイミングでスラスターの噴射が行われたことに起因します。地上からのコマンドで修正が行われたのですが、すでに推進剤を大量に消費していたため国際宇宙ステーションに辿り着けないと判断されました。その他に、大気圏再突入の際に飛行士が乗るカプセルと機械船を分離したときにスラスターが間違った向きに噴射される可能性があったこともわかりました。

いくつか課題があった初飛行ですが大気圏再突入の後は無事目標地点に帰ってくることができました。初飛行後トラブルを調査し80項目に及ぶ改善勧告が作成されたそうです。

ボーイング社とNASAは独立調査チームが示した改善勧告に対策を講じ、ようやく2回目の試験飛行に目処が立ったと言うことのようです。スターライナーは7人乗りの有人宇宙船です。2021年夏にいよいよ有人飛行試験「CFT(Crew Flight Test)」が予定されていますが遅れる可能性もあると言います。2回目の無人飛行試験で良い結果が得れることを期待したいですね。

ー引用ー

CFTではボーイング(元NASA)のクリストファー・ファーガソン宇宙飛行士、NASAのマイケル・フィンク宇宙飛行士およびニコール・マン宇宙飛行士の3名がスターライナーに搭乗することが発表されています。このうちマン宇宙飛行士は月面有人探査を行うアルテミス計画で月を目指す18名の宇宙飛行士「アルテミスチーム」の一員にも選出されています。

ー引用終わりー

参考URL

https://sorae.info/space/20201212-oft2.html


Wrote: 寺地