ヨーロッパ宇宙機関が運用する宇宙望遠鏡「ガイア」による最新の観測データが2020年12月3日公開されました。
ガイア宇宙望遠鏡は2013年12月にソユーズ2ロケットで打ち上げられ2014年7月から科学観測を行なっています。打ち上げられたガイア宇宙望遠鏡は、地球から150万km先の太陽と地球の重力が釣り合う場所「L2(ラグランジュ点)」まで移動し観測を行なっています。
今回公開されたのは「EDR3(Early Data Release 3)」と言われるもので、18億以上の星々の位置と明るさに関する情報と約15億以上の星々の年周視差と固有運動が記録されているそうです。ガイア宇宙望遠鏡は2016年にはDR1(Data Release1)と2018年にDR2(Data Release2)を公開し、これまでにも貴重なデータをもたらしていました。ガイア宇宙望遠鏡は天体の位置、天体の運動を調べるアストロメトリ(位置天文学)に特化している宇宙望遠鏡です。
ガイア宇宙望遠鏡はこれまでに観測した星々の位置や動きの精密データによって天の川銀河の知られざる歴史を紐解きつつあるといいます。なお、EDR3は、データリリースが2段階で行われるそうで、完全版リリースは2022年になる予定です。今後のデータ解析によってもたらされる新たな発見に期待したいですね。
ー引用ー
地球から見て天の川銀河の中心とは反対(つまり天の川銀河の外側)の方向にある古い星から若い星までの動きをガイアデータ処理および分析コンソーシアム(DPAC)に所属する研究者らが分析したところ、天の川銀河の平面から見て片側の星々は平面に向かってゆっくり動いているのに対し、もう片側の星々は平面に向かって速く動いているという予想外の動きが判明したといいます。その原因として、いて座矮小楕円銀河との比較的最近起きた衝突が影響している可能性があげられています。
ー引用終わりー
https://sorae.info/astronomy/20201208-gaia-mission.html
Wrote: 寺地