月面望遠鏡でファーストスターを見つけ出せ

2021年打ち上げ予定の次世代宇宙望遠鏡「ジェイムズ・ウィップ宇宙望遠鏡」は138億年前のビッグバン直後の宇宙の姿を捉えることが出来るかも知れません。しかし、捉えられるのは銀河の姿までです。ところが、ビッグバン直後の銀河が誕生する以前の姿を捉えることができる望遠鏡が作られる可能性があるのです。

最初期の宇宙は水素とヘリウム以外の元素を含まない天体「ファーストスター」が存在していたと考えられています。そのファーストスターの光さえもを捉えられる望遠鏡が月面液体鏡式望遠鏡です。

月面液体鏡式望遠鏡は月の極に設営され地球の大気のような揺らぎに邪魔されず観測できる望遠鏡です。ミラーの部分を液体とする事でガラス鏡に比べ月まで運ぶコストやメンテナンスが簡単という点でも優れています。

月面液体鏡式望遠鏡はNASAが10年前計画したもののお蔵入りになった計画で、大きさが当時の液体鏡は直径20mだったのに対し新しく発表された望遠鏡では直径100mと大型になっています。月面に設置した太陽光発電を電力とし、自律的に観測を行うそうです。観測データは月周回衛星に送られ地球に届けられます。

テキサス大学オースティン校の天文学者Anna Schauer氏が率いる研究グループがジェイムズ・ウィップ宇宙望遠鏡ではファーストスターを捉えられないことを知り、ファーストスターを捉える方法を計算によって導き出したのがこの月面液体鏡式望遠鏡だったそうです。

まだ実現できるかわかりませんがファーストスターを捉えることは重要な事だと思うので、いずれ実現できるのではないでしょうか?楽しみです。

ー引用ー

LLMTは米国航空宇宙局(NASA)によって10年前にお蔵入りにされていましたが、テキサス大学オースティン校のAnna Schauer氏が率いる研究グループが「Ultimately Large Telescope(究極の大型望遠鏡)」としてこのアイディアを復活させました。研究グループによると、2021年10月に打ち上げ予定の「ジェイムズ・ウェッブ」宇宙望遠鏡を含む現存する望遠鏡が未解決だった問題に着手できるといいます。

ー引用終わりー
※LLMT=月面液体鏡式望遠鏡(Lunar Liquid-Mirror Telescope)

参考URL

https://sorae.info/space/20201120-llmt.html


Wrote: 寺地