以前NASAのゴダード宇宙飛行センターの研究グループがアルマ望遠鏡を使った観測で土星の衛星タイタンの大気中でシクロプロペニリデンと呼ばれる化合物を検出したと言う記事を書きましたが、ヨーロッパ宇宙機関ESAの研究チームが土星探査機カッシーニの観測データを分析した結果タイタンから有機物と水の混合物が見つかったと言う発表もありました。
使われたデータは、カッシーニの可視・赤外線マッピング分光計(VIMS)で観測したデータです。
タイタンの赤道付近は砂丘が多く、極付近はメタンの海があります。その間の中緯度あたりは平原が広がっているそうです。研究チームは、赤道付近のクレーター4個と中緯度付近の5個のクレーターのデータを分析しました。すると、赤道付近のクレーターからは、暗い色の未知の有機物が見つかり、中緯度のクレーターからは有機物と水が氷った氷の混合物が見つかったそうです。
まだ有機物がどんなものかわかっていないようですが、今後行われるドローン型探査機ドラゴンフライによって詳しく調べられるのではないでしょうか。期待したいです。
ー引用ー
タイタンでは、地球における水のように、メタンなどが循環しています。メタンなどからできた海や湖から、メタンなどが蒸発し、雲になり、雨となって降りそそぎ、川となって流れ、また、海や湖に戻ってきます。
研究グルーブはこのように循環するメタンなどの液体による浸食作用がクレーターの化学組成の地域差をつくりだすのではないかと考えています。
ー引用終わりー
https://sorae.info/astronomy/20201108-titan.html
Wrote: 寺地