アルマ望遠鏡が捉えた初期宇宙の銀河の成長

南米チリのアタカマ砂漠に「アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計」通称アルマ望遠鏡があります。標高5000mの高地にあり、16.5kmの範囲の中で66台ものパラボラアンテナを設置した電波望遠鏡です。

このアルマ望遠鏡による観測で誕生間もない初期宇宙における銀河の成長過程がわかってきました。

ALPINE(ALMA Large Program to Investigate C+ at Early Times)と呼ばれるアルマ望遠鏡を用いた探索を行う天文学者の国際研究チームがあり、誕生初期の宇宙で成長途中にある118個の銀河を調べたそうです。これまでの銀河の形成や成長の仕方を理解する上で初期宇宙の観測が重要です。そして、アルマ望遠鏡で観測したところ、これまで誕生初期の宇宙には水素とヘリウムが主成分で他の元素はあまりないと思われていましたが10〜15億年と言うかなり早い段階で数多くの元素を含んだ銀河が見つかりました。さらに銀河の円盤上の構造もこの頃には出来上がっていたようです。

今後の観測はアルマ望遠鏡だけでなくハッブル宇宙望遠鏡やヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡VLT、NASAの天文衛星スピッツァーによる赤外線観測など初期宇宙に向けてさらに観測が行われるそうです。今後もALPINEは銀河の進化の解明に挑んでいくそうです。

ー引用ー

銀河に、多くの星間塵や重元素(金属元素 ; 天文学者が定義する水素やヘリウムより重い元素のこと)が含まれるとき、その銀河は成熟している、とみなされます。一方で塵や重元素は、銀河内でつくられた星が死ぬ際に、副産物として銀河内に放たれます。初期宇宙の銀河は、宇宙誕生から十分な時間もないため、多くの星を作る時間がなく、そのため研究者たちはこの時代の銀河からは少量の塵や金属元素しか観測できないと考えていました。

ー引用終わりー

参考URL

生まれたばかりの宇宙で成熟した銀河が急速に出現していた -アルマ望遠鏡による初期宇宙にある銀河の最大規模の探索 -


Wrote: 寺地