国際研究チーム H0LiCOW (ホーリー・カウ) は、ハッブル宇宙望遠鏡と多くの地上望遠鏡を用いて重力レンズ効果の影響を受けたクエーサーからの光を観測し、ハッブル定数を調べ、その結果は「73 ㎞/s/Mpc」であったと発表しました。
【観測成果】国立天文台などの研究者で構成される国際研究チームは、ハッブル宇宙望遠鏡とともにすばる望遠鏡など多くの地上望遠鏡を用いて、重力レンズ効果の影響を受けたクエーサーを観測し、宇宙の膨張率の値であるハッブル定数を従来の方法と独立に測定しました。 https://t.co/necrFOQ8Pg pic.twitter.com/prjzfYERIa
— 国立天文台 すばる望遠鏡 (@SubaruTelescope) January 9, 2020
H0LiCOW チームは、6つのクエーサーからの光をハッブル定数の測定に用いました。
「クエーサー(Quasar)」とは巨大ブラックホールが周囲の塵などの物質を飲み込む過程で生み出す明るく輝く天体のことです。各クエーサーからの光は、地球との間にある巨大な楕円銀河によって発生する重力レンズの効果によって、複数の経路に分かれて地球に到達します。
この別れた光のチラつきを測定することで、クエーサーまでの距離を推定することで、宇宙の膨張係数であるハッブル定数を求めました。
さて、 H0LiCOW チームは、新しいハッブル定数の測定値を発表しましたが、これは以前の宇宙背景放射を測定した宇宙望遠鏡プランクの測定結果から求めた値、「67 ㎞/s/Mpc」との誤差が大きいことが気になります。
またまた、新しいハッブル定数が提案されましたが、一体どの値が正確な値に近いのでしょうか、はたまた、これからの観測で新事実が明かになり、理論が修正されることになるのでしょうか。今後の研究の発展が期待されます。
https://subarutelescope.org/Pressrelease/2020/01/08/j_index.html
https://hubblesite.org/contents/news-releases/2020/news-2020-04
Wrote:わたなべ