中国の暗黒物質探査衛星「悟空」の第2の成果とは?

 中国の暗黒物質探査衛星「悟空」が観測したデータが、2019年9月27日にアメリカ科学振興協会(AAAS)のオンライン科学誌「Science Advances」に発表されました。

世界で初めて宇宙線の高エネルギー陽子を直接観測し、新しい宇宙線のスペクトル構造を解析したところ、数十テラ電子ボルト付近をピークとする盛り上がりがあることがわかりました。その原因には地球近傍の宇宙線源の存在、または天の川銀河を伝搬した影響などが考えられとのこと。これは「悟空」が観測した2つ目の成果になります。

Measurement of the cosmic ray proton spectrum from 40 GeV to 100 TeV with the DAMPE satellite
(暗黒物質探査(DAMPE)衛星による40Gevから100Tevまでの宇宙線陽子スペクトルの観測)

https://advances.sciencemag.org/content/5/9/eaax3793

 中国の暗黒物質探査(DArk Matter Particle Explorer[DAMPE])衛星「悟空」は2015年12月17日に打ち上げられました。「悟空」は高エネルギーのガンマ線、電子、宇宙線を検出するための観測装置を搭載し、暗黒物質の起源を探るためのデータを収集しています。

 過去に発表された第1の成果として、今回発表されたデータよりも低いエネルギーのスペクトルを観測し、数百ギガ電子ボルト付近に下向きにピークを持つスペクトル構造を解析した結果が発表されています。このスペクトルの折れ曲がりが地球近傍の宇宙の構造を理解する手助けになるようです。

 中国が暗黒物質探査のための人工衛星を打ち上げていたとは驚きですね!いまだに正体のわからない暗黒物質ですが、どこが最初に正体を突き止めるのか、楽しみですが、もしかしたらそれは中国なのかもしれませんね。

参考

https://www.afpbb.com/articles/-/3247044



http://dpnc.unige.ch/dampe/index.html



https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/9559_dampe

Wrote: わたなべ