宇宙で初めてできた化合物が遂に発見された?

2019年4月18日、NASAは、宇宙で最初にできた化合物と考えられている水素化ヘリウムイオン(HeH+)を遂に発見し、研究成果が科学雑誌のNatureに掲載されたと発表しました。

水酸化ヘリウムイオンはヘリウムと水素が結合した化合物であり、ビッグバン直後に宇宙で初めて発生した化合物と考えられていましたが、この数10年間の宇宙の観測では発見されていませんでした。

初めて宇宙空間で水素化ヘリウムを観測したのは、NASAの赤外線天文学用成層圏天文台(SOFIA:The Stratospheric Observatory for Infrared Astronomy)です。

SOFIAは飛行機に搭載された遠赤外線観測用の反射型望遠鏡で、地球上のほとんどの水蒸気の上空である高度12キロメートルまで到達可能であることから、遠赤外線を吸収する水蒸気の影響を避けて、観測を行うことができます。

観測した場所は白鳥座の近く3,000光年離れたところに位置する、惑星状星雲、NGC 7027とのこと。NGC 7027は年齢が若く、初期宇宙の状態に近いため、水素化ヘリウムイオンが生成されている天体の候補として有力視されていました。

今回の発見で初期宇宙の状態を正しく理解することが可能になるということです。私たちが初期の宇宙状態を想像するのは難しいですが、宇宙の理解が進むのは楽しみですね。今後の成果にも期待ですね。



天体物理学:宇宙で最初に生じた分子イオンが現在の宇宙で検出された | Nature | Nature Research
https://www.natureasia.com/ja-jp/nature/pr-highlights/12926



水素化ヘリウムイオン – Wikipedia

https://ja.wikipedia.org/wiki/水素化ヘリウムイオン



遠赤外線天文学成層圏天文台 – Wikipedia

https://ja.wikipedia.org/wiki/遠赤外線天文学成層圏天文台

Wrote: わたなべ